研究内容
日本の月着陸ミッションSLIMでは,小型の表面探査ローバが搭載ペイロードの候補として考えられており,本テーマでは,質量1kg程度と小型ながらも高い走破性を有し自律的に探査を行なうローバの研究と開発を行なう.
月面はレゴリスと呼ばれる砂で覆われており,砂礫層の上に岩が点在する地形となっている.過去に月面をはじめとする高重力天体に持ち込まれた探査ローバはいずれも車輪型の移動メカニズムを持ち,ローバの質量は10kgから1tと幅広い.しかしながら,質量1kg程度の小型のローバでは,車輪径が必然的に小さくなるため,走破性が著しく劣り,広範囲の移動が難しい.
そこで,従来にない発想によって,小型でありながら,長距離の移動を迅速に可能とする移動メカニズムの研究を行なう.また,周囲の取得画像を用いて地球からの支援なしに探査を行なう自律化の研究も行なう.これらの研究結果を最終的にはSLIMミッションに検討されている実際の小型ローバに適用する.