業務内容
宇宙科学研究所は、宇宙科学ミッションとして、宇宙の構造やその起源を調べる天文観測、地球を含む太陽系の生い立ちを探る太陽系科学、微小重力環境等を利用してさまざまな実験を行う宇宙環境利用科学、及び、これらの研究を支え、新たな宇宙への可能性を切り開く宇宙工学を中心とした研究を進めています。また、大学共同利用機関として日本における宇宙科学分野の研究・教育の拠点としての機能も担っています。これらを通じて得られた成果を日本国内はもとより国際社会にも発信しています。
宇宙機を使った宇宙科学ミッションの実現に向けた概念検討および開発業務に従事していただきます。具体的には、ミッションを実現可能にする衛星システムおよび地上システムの概念設計、運用コンセプトの策定、技術仕様の検討、開発計画の立案、さらにコストやスケジュールを含むプロジェクト計画の策定など、プロジェクト化に向けた業務を担当します。
宇宙科学研究所では、大学などの宇宙科学・工学コミュニティから提案された計画を複数抱えています。提案チームは観測装置や実証工学機器に関する専門技術や知識を有していますが、宇宙機システムや地上システム全体の成立に関わる活動、また、プロジェクト全体のスケジュール、コスト、体制の計画立案は未経験である場合もあります。そのようなケースでは、宇宙科学プログラム室との密接な連携が、プロジェクト化に向けて特に重要となります。
本公募で募集する宇宙科学プログラム室では、これらの業務を宇宙科学研究所内の複数の計画チームと連携して、主に以下の業務についてリーダシップを発揮して進めていただきます。プロジェクトの成功を左右する重要な業務です。
・プロジェクト化の初期段階における概念検討・設計活動
・上記活動を通じた、技術仕様書案や開発計画案を具体化
・開発から運用プロセス全体の不確定要素の洗い出し(リスク分析)、適切な対処方法の立案
システムやプロジェクトの成立に必要な全活動領域に精通している人材は稀です。本業務を通じて、宇宙科学研究所内外の多様な領域(理学・工学のみならず、経営・企画、調達、人事など)の関係者と連携し、システムおよびプロジェクト成立のための知識を広げ、専門性を深めていくことが可能です。また、業務を通じて得た知見を文書化し、広く共有することで、組織全体の知見・能力向上に貢献する人材になることも期待されます。
将来的には、本業務を通じて得られた経験や知見を基に、個々のプロジェクトの開発メンバーとしての中核的な役割を担う、さらには、多様なプロジェクトを最大限に活用し、宇宙科学成果の最大化を目指すプログラム戦略の検討・立案・実行に携わるキャリアアップの機会も提供されます。
< 変更の範囲 :機構が定める業務の範囲 >