業務内容
国際民間航空機関(ICAO)では、2050年に国際航空分野のカーボンニュートラルが宣言されるなど、航空産業でも脱炭素社会に向けた動きが強まっています。JAXA航空技術部門では、航空分野における脱炭素化技術の柱の一つとして水素航空機に係る研究開発を進めています。その中で、キー技術となっている極低温液体水素燃料を航空機用ジェットエンジンに供給する燃料ポンプの研究開発を担う人材を求めます。JAXAが打ち上げを実施しているロケットにも類似のポンプが使われており、JAXAは国内最先端の技術を有していますが、航空機への適用という観点では経験がないため、耐久性の確保等、新たな技術課題へのチャレンジが必要です。
現在、JAXAは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/次世代航空機の開発」プロジェクトのうち一つの事業である「水素航空機向けコア技術開発」に、幹事企業である川崎重工業株式会社の共同実施者として参画しています。採用後、当面は、この液体水素燃料ポンプの設計、製作、運転、保守、整備といった研究開発業務に従事していただきます(※設計、製作は本公募と並行して進んでいる状況のため、本事業内で、どこまで設計、製作業務にかかわるかは、採用の時期に依存して決まります)。また、このポンプを開発するために、液体水素を供給する試験設備も併せて設置を進めており、この設備の運転、保守の業務にも従事していただきます。
具体的には以下の業務を対象とします。
・水素燃焼ガスタービン地上試験用液体水素燃料供給ターボポンプの設計(※1)、開発試験(※2)、整備、運転
・液体窒素供給試験設備、液体水素供給試験設備(※2)の設計、整備、運用
・上記の設備を利用した研究開発や付随する調達や安全管理等の業務
・関連する大型試験設備の運用、運用管理業務
(※1)調布航空宇宙センター
(※2)角田宇宙センター
上記の研究開発や設備運用を通して専門性を向上しつつ、JAXAの基盤技術の強みを生かした脱炭素化に係るエンジン技術の実用化に関与することでキャリアアップに繋げ、将来航空エンジンのキー技術開発に欠かせない人材となることを期待しています。あわせて、関連する大型試験設備の運用や運用管理にも関与してもらうことで、将来的に、より広範なシステム開発をマネジメントできるスキルの獲得も目指していただきます。
< 変更の範囲 :機構が定める業務の範囲 >