業務内容
国際宇宙ステーション(ISS)/「きぼう」日本実験棟は、2009年に完成した我が国で唯一の有人宇宙施設であり、現在少なくとも2030年まで運用予定です。ISS運用終了後のポストISSの時代は、民間企業による商業ステーションとなる見込みであり、既に、米国では複数の民間企業が商業ステーションの製造を開始しています。我が国でも、地球低軌道利用市場の獲得に向けて、有人宇宙システムを構成するモジュール(※)にかかるシステム技術や、微小重力環境を活用した汎用実験システム技術の開発を進めることとなっています。
(※)ISSを構成するモジュール(参考)
https://humans-in-space.jaxa.jp/iss/about/config/
ISSにおいて、またポストISS時代に向けて、地球低軌道有人拠点における活動を持続的に発展させるため、また、そのためには、新規ユーザの獲得、ユーザ層の拡大が必須であることを踏まえて、以下の業務に取り組んでいただきます。
① 「きぼう」の主に電気系システムの機能向上、運用性向上、ユーザ利便性向上、開発・維持・運用経費の低減、ロバスト性向上、セキュリティ向上等を図るとともに、それに必要となる新規ハードウェア、ソフトウェアの開発、国際間を含む各種インタフェース調整、試験等を行う。
② ポストISSにおける地球低軌道有人拠点に向けたモジュールや搭載する機器、実験装置の開発、国際間を含む各種インタフェース調整、試験等を行う。
なお、本職種では、構造・熱・電源・通信・制御・ソフトウェア等の個別の領域のみを担当するものではなく、領域全般に亘ってシステム的にカバーするシステムエンジニアを求めます。
また、現在の有人宇宙活動の変革期において、システム開発を通して、確かな技術的知見とフレキシブルな発想で、新規ユーザを呼び込み、低軌道経済圏の実現に寄与する人材を求めています。
ISS/JEMは、既に軌道上有人プラットフォームとして存在し、年に複数回の打上げ機会が定常的に存在します。その搭載機器やシステムの研究開発では、概念検討から定常運用に至る宇宙機システムの開発に係る全てのフェーズを短い期間で繰り返し経験することが可能です。上記環境はすでに運用しているISS/「きぼう」ならではの強みであり、キャリアにおいて豊富な開発経験を得ることができます。
更に、この業務経験を通じて、有人宇宙技術部門に所属する技術者として、有人与圧ローバや月周回拠点「Gateway」搭載システムなど国際宇宙探査計画に係る技術サポートに対応していただくことも想定しています。
< 変更の範囲 :機構が定める業務の範囲 >