業務内容
「ゲートウェイ」は、持続的な有人月面探査の中継基地、またその先の火星探査に向けた有人拠点です。米国、欧州、日本、カナダ、アラブ首長国連邦との国際協力で、2020年代中頃、月軌道上で最初のモジュール建設開始が予定されています。我が国唯一の有人宇宙施設である、国際宇宙ステーション(ISS)/「きぼう」日本実験棟で培った、有人技術を発展させ、信頼されるパートナとして、主に生命維持の中核となる環境制御システムの提供で貢献します。この貢献は、ミッション成功の鍵であり、有人宇宙活動において、我が国が保有すべきコア技術として期待されています。
ゲートウェイ船内の環境は、空気循環、酸素・窒素供給、二酸化炭素・有害ガス除去、温度や湿度の調整など、様々な役割を持つ装置をシステムとして調和し機能させることで宇宙飛行士の生命を維持します。この特性を踏まえ、本システムの開発として以下の業務に取り組んでいただきます。
①各装置がシステムとして機能を発揮するよう各装置仕様の最終設定、検証計画の策定、同計画に基づく試験の企画、実施(国際共同検証試験含む)。
②欧州宇宙機関(ESA)が提供する国際居住棟(I-Hab)への搭載に係る、機械、電気、通信等のインタフェース策定
③軌道上における、システム初期起動および定常運用のシナリオの策定
④上記に係るNASA/ESAとの国際調整
なお、本職種では、構造・熱・電源・通信・制御・ソフトウェア等の個別の領域のみを担当するものではなく、領域全般に亘ってシステム的にカバーするシステムエンジニアを求めます。
有人宇宙拠点に係る大規模なシステム開発は、1990年代に行われた「きぼう」以来です。このフェーズでの関与は、地上の要素レベルの装置を超えて、実際のフライト品に求められる要求仕様の理解と設計への反映、検証・運用まで経験できる非常に貴重な機会となります。このキャリア構築におけるユニークな強みを生かし、プロジェクト終了後は、次の国際宇宙探査計画に係る業務に対応していただくことも想定しています。
※月周回有人拠点(ゲートウェイ)については、下記URLをご参照ください。
https://www.exploration.jaxa.jp/program/
< 変更の範囲 :機構が定める業務の範囲 >