業務内容
人工衛星や大規模衛星コンステレーションの増加に伴い、地球周回軌道の混雑化とスペースデブリ(宇宙ごみ)との衝突リスクが世界的な課題となっています。安全で持続可能な宇宙利用には、軌道環境の現状と将来を科学的に把握し、効果的な対策につなげることが不可欠です。JAXAでは、望遠鏡やレーダ等による軌道上物体の観測、人工衛星やスペースデブリの分布・将来推移のモデリング、衝突リスクの評価に取り組み、その成果を宇宙機の安全な設計・運用、宇宙交通管理(STM)、スペースデブリ対策、国内外の制度・ルール形成に活用しています。
本公募では、観測データや軌道情報等を活用したスペースデブリ環境のモデリング・評価を中心とする研究開発に、チームの一員として取り組んでいただける方を募集します。主な業務は以下のとおりです。
●スペースデブリ環境のモデル化と将来予測
軌道上に存在する人工衛星やスペースデブリの分布をモデル化し、今後の宇宙活動や物体同士の衝突等によって、軌道環境がどのように変化するかを数値シミュレーションにより予測します。
●衝突リスクおよびスペースデブリ対策の効果評価
人工衛星とスペースデブリとの衝突リスクを定量的に分析するとともに、ミッション終了後の衛星の適切な廃棄、スペースデブリの発生抑制・除去等の対策が、将来の軌道環境に与える効果を評価します。
●解析・評価技術の高度化と研究成果の活用
観測データ等を活用して、モデル、解析手法およびシミュレーションツールの精度・機能を向上させます。また、得られた研究成果を宇宙機の設計・運用、宇宙交通管理、スペースデブリ対策、国内外の制度・ルールの検討等に活用します。
宇宙航空分野に限らず、海洋、気象、通信、測位、防災、自動車等の多様な分野で培われたモデリング、数値解析、シミュレーション、データ解析、リスク評価等の知識・経験を、本業務に活かしていただくことができます。
業務の遂行にあたっては、JAXA内の観測、軌道、衛星、デブリ対策等の研究者・技術者に加え、国内外の研究機関、大学、民間企業、政府関係機関等の専門家と、それぞれの専門性を活かしながら研究開発を進めていただきます。
本業務の特徴は、数値解析やシミュレーションによって得られた研究成果が、論文や学会発表にとどまらず、人工衛星の設計・運用、宇宙ミッションの安全確保、国の宇宙政策、さらには国際的なルール形成にも活用されることです。自ら生み出した科学的・技術的な知見を、実際の宇宙活動の安全性と持続可能性に直接つなげることができる、社会的意義の大きい仕事です。
本業務を通じて、数値モデリング、確率・統計的なリスク評価、将来予測、不確実性評価、観測データを用いたモデルの検証・改良など、複数の技術を組み合わせて複雑な宇宙環境を分析する専門性を高めることができます。さらに、解析結果を宇宙機の設計・運用やデブリ対策へ反映し、国内外の制度・ルール形成を科学的・技術的な側面から支える経験を積むことで、研究成果を実際の宇宙活動へつなげる力を身に付けることができます。将来的には、国内外との共同研究や新たな研究課題を主導し、スペースデブリ対策および宇宙交通管理分野を牽引する研究者・技術者へ成長することが期待されます。
業務に関連するJAXAの研究内容や、実際の解析・評価事例については、以下の研究紹介ページをご覧ください。
●宇宙交通管理を支えるスペースデブリ対策の研究
観測、モデリング・評価、防御・低減技術の関係や、研究の社会的意義を紹介しています。
https://www.ard.jaxa.jp/research/spacedebris/spacedebris.html
●スペースデブリ環境のモデリング・評価技術の研究
将来のスペースデブリ数の予測、スペースデブリ低減・除去策の効果評価、衝突リスク解析等の具体的な研究内容を紹介しています。
https://www.kenkai.jaxa.jp/research/spacedebris/deb-model.html
< 変更の範囲 :機構が定める業務の範囲 >