業務内容
※本職務については、応募締め切りが設定されましたのでご注意ください。
2025年1月17日(金)23:59(JST)
近年、航空機の開発はますます複雑さを極めており、開発にコストと時間が掛かるようになってきています。特に、型式証明(Type Certification以降TC)を取得するためには、各国の航空局と綿密な議論に基づく証明と実効性確認が必要であり、新開発機体のTC取得のために膨大な時間と費用をかけて、試験データを取得し、航空機の安全性を担保しています。
このような状況を打開するために、認証に必要な試験データを解析で置き換える事を目指した活動が世界的に行われており、各国の航空局や米国NASAが認証のためのガイドラインについて議論しています。日本でもデジタル化の立ち遅れを回避すべく、経済安全保障プログラム(通称:Kプロ)の中で航空機のライフサイクルに渡るデジタル化によりこれらを解決する試みがスタートしています。そのプログラムの中でJAXAは認証作業の簡略化を目指し、Certification by Analysis(CbA)を用いた実機試験の低減を可能にする取り組みを行っており、その際に導入が必要になると言われている不確定性の定量化(UQ:Uncertainty Quantification)技術の開発に取り組んでいます。
今後の社会実装を念頭に置きながら、専門性を活かして組織や国の研究戦略に基づき以下の研究開発業務を主体的に実施していただくとともに,JAXA内外のメンバーの取りまとめ役として、航空機構造の材料及び構造の数値解析による認証技術に関する研究開発プロジェクトに積極的に参画していただきます。
具体的な業務内容は以下のとおりです。
・航空機開発におけるBuilding Block Approach(BBA)に利用される試験データを解析で置き換えるためのプロセス構築
・航空機開発におけるBBAにおいて、解析による安全性証明を実施する際に必要とされるUQについての理解と運用
・UQを検討する上で将来活用が期待されている、機械学習及びAIによる不確かさの評価
・上記の研究活動を通した航空機の安全性向上に資する国際標準規格策定への貢献
研究開発の実施とマネジメントに加え,国際基準策定という国際的な枠組みの中での活動にも参加しながらキャリアアップを図り、JAXA内のみならず日本の航空機開発をリードして行く人材となることを期待します。また、プロジェクト終了後は、UQに関する知見を活かして宇宙機開発なども含めたJAXAの研究開発に参画していただくことを想定しています。
< 変更の範囲 :機構が定める業務の範囲 >